自由が丘の保護猫センターにずっと里親が決まらない白黒のネコがいました。名をリアン。
そこに遊びに行っても、カゴで大人しく、じっとしています。どこか影があって、ご飯をあげても反応もかなり控えめで、このままだと里親ずっと決まらないかもなと思っておりました。
このリアンくんは2度捨てられたそうです。人間への不信感。心は内に閉じこもってしまっているように感じられます。知り合いも保護猫で飼えるネコを探していましたが、ちょうど同じ保護猫センターにいるチャトラに決めようとしていたところでした。
気になるし、またリアンを見にいくかと思っていたところ、その知り合いから連絡があり、飼うと決めていたチャトラは別の方のお家へ行かれたそうです。残念でしたねと話すと、いや、誰ももらいそうにないリアンを家に向かい入れようと思いますとのことでした。僕は感動しました。
このリアンは心に傷があるだろうし、楽しく暮らせるだろうかと懸念があったのですが、だからこそ家に招くというのです。
リアンは3回目の里親の家に行きました。
するとみるみる表情が明るく、元気になるし、人に甘えるようにもなり、抱っこさえ許します。
そうなのです、愛情がリアンに降りかかってて、リアンは劇的に変わった。いえ、これが本来の姿なのです。人の都合で翻弄される人生を送ってきたリアン。
今度は信頼できる家族に囲まれて幸せに生きていくことと思います。